登山家のための本格的なアウトドアギアから、タウンユース向けのファッションアイテム、さらにはフットウエアまで。さまざまなアイテムを通じて目にする機会の多い “GORE-TEX PRODUCTS” のロゴマーク。その裏側には驚くべき高度な技術と製品開発に対する情熱があり、アスリートや過酷な現場で活躍するプロフェッショナルたちからも支持される所以があります。天候や状況に左右されることなく、彼らのパフォーマンスを支えるとともに、私たちの日常生活にも多くの「快適」をもたらす GORE-TEX プロダクトテクノロジー。その歩みとともに、GORE-TEX製品が選ばれる理由についてひも解いていきましょう。
南極から宇宙まで。
GORE-TEX プロダクトテクノロジーの軌跡と功績
荒天下でも衣服内を快適に維持することのできる GORE-TEX ファブリクスは、運動中の身体のコンディションをサポートしたり、通勤中の急な天候の変化にもスマートに対応したりと、日常に多くのメリットをもたらすとともに、ファッションをより快適なものへとアップグレードしてくれます。そして、その要となるのが「GORE-TEX メンブレン」と呼ばれる薄い膜状の素材。この素材は1969年に、ある偶然から誕生しました。
創業者の息子であるボブ・ゴアが、「PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)」というポリマー素材をある条件下で急速に延伸させたことがきっかけで、「ePTFE(延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン)」という素材の開発に成功。ePTFE には優れた強度や独特の微細構造といった特徴があることから、広範な用途への可能性が広がりました。この ePTFE から薄い膜状の素材「GORE-TEX メンブレン」が作られ、1976年には「GORE-TEX メンブレン」が使われた GORE-TEX ファブリクスを用いた製品第一号を発表。透湿性と防水性、防風性を兼ね備えた製品の高い機能性は、アウトドア業界を中心に話題となります。
さらに1981年、Gore ファイバー製の宇宙服を着用した宇宙飛行士が、NASA のスペースシャトル第一号機「コロンビア」とともに宇宙空間へ。1990年には GORE-TEX ウェアに身を包んだ国際南極探検隊が南極大陸横断の旅へ挑むなど、GORE-TEX プロダクトテクノロジーは多くの過酷な現場での活動を成し遂げてきました。
このように偶然から誕生した GORE-TEX ファブリクスは、半世紀ほどの間にさまざまなプロフェッショナルたちの偉業を支えてきました。そのテクノロジーの発展と活躍の場はとどまることなく、いまも日進月歩で進化を続けています。
▼GORE-TEX プロダクトテクノロジーの歴史について詳しく知る
https://www.gore-tex.jp/technology/history
最上級の機能を発揮する唯一無二の存在。
GORE-TEX ファブリクスの真価とは
スポーツからビジネスまで幅広いシーンで活躍する GORE-TEX製品ですが、GORE-TEX ファブリクスには複数の機能が搭載されています。なかでも代表的なものが「防水性」「透湿性」「防風性」の3つです。
■ 防水性
雨や雪で身体が濡れるのを防ぎます。GORE-TEX ファブリクス使用の耐久防水性に優れたジャケット、パンツ、フットウェアやグローブにより、いつでも快適な状態が保たれます。
■ 透湿性
外からの水はしっかりと防ぎつつ、発汗などが原因で発生する衣服内の湿気はしっかりと排出します。普段の街歩きはもちろん、ランニングやクライミングなど、アクティビティーを問わずいつでも快適さをもたらします。
■ 防風性
北風や吹雪など、外からの風をシャットアウト。風が生地を通り抜けるのを防ぐことで、体温の低下を抑え、快適なアクティビティーをサポートします。
この3つの機能のほか、着用時の重さによるストレスを最小限にする「軽量性」や、寒さから身体を守る「防寒性」など、製品によっては他にも異なるベネフィットが独自に組み合わされています。
▼GORE-TEX ファブリクスの機能について詳しく知る
https://www.gore-tex.jp/technology/core-benefits
このように、複数の優れた機能を兼ね備えた GORE-TEX ファブリクスですが、なぜ生地の外側から受ける雨を防ぎながら、衣服内の湿気だけを効率よく排出できるのでしょうか。それを実現しているのが「GORE-TEX メンブレン」です。
GORE-TEX メンブレンとは、特殊な薄い膜状の素材で、1インチ四方(25.4mm四方)に約90億個もの孔のある構造をしています。孔の一つひとつの大きさは水滴の約20,000分の1と非常に小さく、蒸気分子と比較すると700倍以上の大きさがあります。
例えるならば、ひとつの孔がサッカースタジアムくらいの大きさなのに対し、水滴の大きさは地球くらい、蒸気分子はサッカーボール程度のサイズになります。このことから、外からの水滴は通さずに、内からの湿気(蒸気)だけを排出することが可能となるのです。
誕生以来、常に進化を遂げてきた GORE-TEX メンブレン。現在はフットウェアやグローブ、ハットのような小物にも取り入れられており、その真価を発揮し続けています。
▼GORE-TEX メンブレンについて詳しく知る
https://www.gore-tex.jp/articles/the-gore-tex-membrane
すべての製品に対して細かなテストを実施。
高い機能性を裏付ける、厳格な品質管理
GORE-TEX製品についたひし形のロゴマークに記された、「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY」の意味をご存知でしょうか。
これは ゴア社による部分的製品保証を証明するもので、万が一防水性や防風性、透湿性に満足できない場合、諸条件に該当すると判断された製品に対して修理または交換・購入金額の返金を保証するというもの。すべての GORE-TEX製品においてこうした保証をしている裏側には、自社製品に対する厳格な品質管理へのこだわりがあります。
そのひとつに、GORE-TEX プロダクトテクノロジーを採用するすべての製品に対して行われている、「マテリアルテスト」「ヒューマンテスト」「フィールドテスト」からなる厳しいテストが挙げられます。
「マテリアルテスト」とは、実験室における素材に対する一連のテストのこと。ウールやサンドペーパーを用いてファブリックを何度も擦る「マーチンデール磨耗テスト」や「ウォーキングシミュレーター」など、GORE-TEX ファブリクスの機能が基準通りに発揮されることを保証するための厳格な検査が行われます。
ただし、すべての項目が機器だけで測定できるとは限りません。人が実際にチェックを行う「ヒューマンテスト」では、さまざまな雨天条件がシミュレートできるよう設計された「レインルーム」や、快適さを測る「コンフォートテスト」など、人間が素材の機能性や着用感を実際に確認します。
さらにテストの範囲は、実験室から実際のフィールドにまで広がります。「フィールドテスト」には各国の契約アスリートや専門家(アンバサダー)なども参加。各メーカーやブランドから展開される GORE-TEX製品もゴア社がテストし、最終的にすべてのテストをパスした製品だけが GORE-TEX のロゴマークを付けることができるのです。GORE-TEX製品が世に送り出されるまでには、このような終始徹底した品質管理体制が敷かれています。
「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY」と書かれたひし形のロゴマーク、それは GORE-TEX製品の高い品質を証明するものであり、製品に対する自信の証。多くのアスリートや現場のプロフェッショナルたちが長年信頼を寄せるのも、うなずけるはずです。
▼GORE-TEX プロダクトの品質管理について詳しく知る
https://www.gore-tex.jp/technology/testing
※こちらの記事では、防水性が保証された従来の GORE-TEX プロダクトシリーズについてご紹介しております。防水性よりも快適性を追求した GORE-TEX INFINIUM プロダクトシリーズについてはこちらをご覧ください。